いくら、鮭、干物… プロ目線で選ぶ ふるさと納税海産物特集
ふるさと納税の返礼品の中でも特に人気なのが、「いくら」や「ほたて」といった海産物です。ただ、種類が多すぎて選びきれない方も多いのではないでしょうか。
今回は、「プロ目線で選ぶ海産物」と題して、海産物を選ぶ際のポイントやイチオシの返礼品をご紹介します。
ナビゲートいただくのは、東京海洋大学講師も務めるおさかなコーディネータの「ながさき一生」さん。ながさきさんは、ふるさと納税の魚介類を多数紹介しています。
専門家プロフィール
おさかなコーディネータ ながさき 一生
株式会社さかなプロダクション 代表取締役 一般社団法人さかなの会 理事長・代表/東京海洋大学 講師
漁師の息子として18年間家業を手伝い、東京海洋大学を卒業。築地市場の卸会社を経て、魚のブランドの研究で同大学院を修了。魚好きのコミュニティ「さかなの会」を15年以上主宰。ふるさと納税の魚介類を紹介する専門家の第一人者でもあり、漁業ドラマ「ファーストペンギン!」では監修も務めるなど、メディアで食としての魚を分かりやすく伝えている。著書に『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める本』がある。
今回、ながさきさんには、釧路市を拠点とする作り手のプロ「マルサ笹谷商店」を取材いただく中で、本当に美味しい海産物に必要となる要素を探っていただきました。
お話を伺ったのは、マルサ笹谷商店代表取締役の笹谷剛氏。ながさきさん曰く、「マルサ笹谷商店は、業界でも有名で評価が高く、様々な水産加工品を製造しています。私も以前いくらなどをいただきましたが、さすが有名メーカーとだけあって安定した美味しさでした。」とのことですが、どのような水産メーカーなのでしょうか。
マルサ笹谷商店とは…
マルサ笹谷商店は、1983年に創業した北海道を代表する水産加工メーカー。創業初期はすり身やフィッシュミールの製造によって規模を拡大し、今ではいくらやたらこなどの塩蔵品、干物、缶詰、珍味類など多角的な製造を行っています。その規模は道内でも随一。
笹谷社長曰く「うちは作り手としての使命感から、北海道産の原料を直接仕入れて自ら加工し、流通、販売する形にこだわっています。」とのこと。
また、ながさきさんはお話を伺う中で「変化の激しい水産物を扱う中で、すべてを機械化せず、手作業も入れて、臨機応変な対応を取れる体制にしている点が素晴らしいです。まさに水産メーカーの鏡ですね。」とコメントしていました。
海産物を選ぶ際の見るべきポイント
さて、ここからは、選び手のプロであるながさきさんと作り手のプロである笹谷社長が対談をする中で分かった「ふるさと納税で海産物を選ぶ際に見るべきポイント」について、ご紹介します。ながさきさんにガイドいただきましょう。
海産物を選ぶ際に見るべきポイント① 原料
海産物を選ぶ際に大事なことの1つ目は、原料です。海産物の品質の大方は原料決まります。例えば、原料が工場の近くで確保できれば、新鮮な状態のまま加工でき美味しく仕上がります。また、それぞれの魚にも産地や獲れた際の状態によって良し悪しがありますので、プロはその点に着目して品を選んでいます。この点については、各返礼品の紹介のところで個別に触れたいと思います。
マルサ笹谷商店の場合は、北海道内に工場を置き、北海道の良質な原料を獲れたての状態で仕入れて加工できる点がとても良いですね。
海産物を選ぶ際に見るべきポイント② 加工技術
海産物を選ぶ際に大事なことの2つ目は、加工技術です。例えば、いくらを例にとると、卵をキレイに洗う方法、漬込むタレの適切な配合、箱詰めまでの仕上げの方法などの技術が高いと美味しく仕上がります。技術があるかどうかは、例えば会社の歴史から分かることもありますし、どんな加工品を多く出しているかも手がかりになってきます。
マルサ笹谷商店の場合は、様々な加工品を扱っており、50年近い歴史もあります。また、要所要所に手作業を入れている点がとても良いです。獲れる魚の質が変わったときでも、変化に対応しやすく、すぐに美味しいものづくりに持っていけるんですよね。
海産物を選ぶ際に見るべきポイント③ 品質管理
海産物を選ぶ際に大事なことの3つ目は、品質管理です。海産物は、作りたてがどんなに良いものでも、流通途中の扱いが悪いとダメなものになってしまいます。そのため、手元に届くまでの扱いも大事になってきます。例えば、製造から小売までを一貫して行っていたり、配送に慣れていたりする事業者は、この点が優れていると言えるでしょう。
マルサ笹谷商店の場合、仕入れから製造、小売に至るまでを大規模に担っており、この点は確実で安心できます。
それでは、ここからは、プロ目線で選んだ海産物の返礼品をご紹介しましょう。
専門家おすすめの返礼品を紹介
①いくら 新鮮な原料とタレ切りがポイント いくら本来の味
笹谷商店 北海道産いくらしょう油漬250g
笹谷商店が創り出す絶妙な味わいの銘品「いくら醤油漬」。国際衛生管理基準HACCP認定の工場にて新鮮な北海道産いくらをつくっています。味を知り尽くした創業者の秘伝のタレを受け継ぎ、とことんこだわり抜いて漬け込んだ笹谷商店を代表する逸品です。
笹谷社長のおすすめポイント
北海道産の中でも質の高い沖どれの鮭の卵を使用し、長年研究したタレに漬け込んだ後、一晩以上タレを切って、手作業で丁寧に詰めています。素材本来の味が楽しめる自慢のいくらです。
ながさきさんのコメント
沖どれの鮭の卵は皮が柔らかいのが特徴で、原料の良さが光ります。また、タレの味を最低限に抑えているにも関わらず、鮮度が良いため生臭さがありません。タレの味が強い製品も多い中、このいくらは素材本来の味が楽しめます。ファミリーから通な方まで老若男女におススメできるいくらですね。贈答用としても喜ばれることでしょう。
②たらこ ながさきさんも絶賛!絶対の自信作
【北海道産】ササヤのたらこ500g 木箱(化粧箱)
国内流通わずか10%程の希少な北海道産原卵を使用した、粒選りの塩たらこです。ツブツブでサラサラの食感と上品な味わいは、そのまま召し上がるのはもちろん、炙っても和えてもお楽しみいただけます。高級感のある木箱&化粧箱入で、ギフトにもおススメです。
笹谷社長のおすすめポイント
スケソウダラの卵が「たらこ」になりますが、北海道産の獲れたてのスケソウダラを直接買い付けているので、新鮮な原料が手に入ります。捌きたての生の卵を使っているので甘塩・無着色でも、生臭くならず、粒が立って美しく仕上がります。絶対の自信作です。
ながさきさんのコメント
一般的な小売店で買えるものとは別物で、本当に素晴らしいです。ポイントは、「ワンフローズン」ですね。通常は、一旦凍結した原料を解かして製造する方法が多く、2回凍らせるので「ツーフローズン」と呼ばれます。対して、こちらは北海道産だからできる生の原料から作っているので製造後に1回だけ凍らせる「ワンフローズン」です。だから、鮮度とうま味が違います。味付けも無駄なものがなく、たらこ本来の味が楽しめますよ。
③鮭 「山漬け」だから他と違う ながさきさんも驚いたリピーター続出の品
北海道産 釧之助の焼鮭手ほぐし 【6個セット】
着色料は一切使用しておりません。色目が鮮やかな極上の秋鮭を原料とし、着色せずともきれいなオレンジ色をしております。天日塩を使い、じっくりと焼き込み、うま味を引き出しました。大人気の「焼鮭手ほぐし」6本セットです。
笹谷社長のおすすめポイント
原料は沖どれの秋鮭を「山漬け」したものです。山漬けは、塩漬けの鮭を山積みにして何度も積み替えてうま味を引き出す方法です。それを焼いて、手作業でほぐして瓶に詰めます。常温保存ができない分、味の良さを重視しました。リピーターが特に多い品です。
ながさきさんのコメント
まず「山漬け」と伺って驚きました。なかなか山漬けが使われている鮭ほぐしはないと思います。山漬けの鮭は手間も掛かって高価で、うま味が違います。また、常温保存品は便利な一方、過度な加熱などの処理を要するため、どうしても味が落ちてしまいます。そこを捨ててまで味を第一にする一貫性が素晴らしいですね。一般的な製品とは全然別物で虜になります。リピーター続出なのも頷けますね。
④珍味 鮮度と味付けの良さが光る 万人ウケする塩辛
笹谷商店 いか塩辛 釧路港130g【6個セット】
笹谷社長のおすすめポイント
弊社の塩辛は比較的歴史が浅いのですが、その分、全国の他社製品を徹底的に研究して、味を追求しました。こだわりは、本来は刺身になるイカの胴体の肉も使っている点です。原料は北海道内の浜から新鮮なものを直接買い付けています。人気も高い品です。
ながさきさんのコメント
全国の塩辛を研究されたとのことで、誰が食べても嫌な感じのしない万人ウケする味付けになっていると思います。生臭さや嫌なクセがないので、酒のアテだけでなく、ごはんのお供、料理の素材など、様々な使い方ができますね。原料の鮮度の良さが光っていると思いますが、買付から製造、販売までを一貫して行える強みが出ている塩辛だと思います。
…そのほかこちらの返礼品も人気です
笹谷商店 人気海鮮
【釧之助店長の推し5品】
【北海道産】笹谷商店の塩いくら 500g
まとめ
今回はおさかなコーディネータのながさき一生さんより、「プロ目線で選ぶ海産物」として、海産物を選ぶ際のポイントやイチオシの返礼品をご紹介いただきました。本記事をきっかけに新しい発見や素敵な出会いがあると嬉しいです♪