鎌倉の豪邸に肉を焼きに行ったら、超・経営論を聞かせてもらった話

鎌倉の豪邸に肉を焼きに行ったら、超・経営論を聞かせてもらった話

あんじゅ先生
取材
5歳
大河内 薫
写真・構成
波多野 友子

こんにちは。インフルエンサーの5歳です。今日は東急グループさんの運営する「ふるさとパレット」でふるさと納税をしてゲットした返礼品、A5等級黒毛和牛を持って、とある場所へ来ています。とってもいい焼け具合です!それでは、時を戻そう。

神奈川県の藤沢と鎌倉を結ぶ江ノ島電鉄、通称『江ノ電』。レトロな雰囲気がたまりません。現在6種類のデザインが走っているそうですが、こちらは10形と呼ばれるタイプ。

テーマパークの乗り物みたいなデザインが可愛い……!テンションを抑えられないまま藤沢から乗車します。

住宅街の隙間ギリギリを走ったり、路面を歩行者と並走したり、飽きることのない車窓。でも江ノ電といえばやっぱり、湘南の海と国道134号の眺めですよね。脳内でサザンの「波乗りジョニー」が鳴り止みません。

稲村ヶ崎駅で下車して歩くこと3分。日頃、目にすることもないようなオシャレな豪邸が立ち並ぶ海沿いの住宅街に、そのお宅はありました。「こんにちはー、5歳でーす」

5歳:「初めまして、5歳と申します。肉を焼かせてもらいにやって来ました」

池田さん:「肉……?きみは一体何者なんだ?」

5歳:「5歳と申します」

池田さん:「……」

今日僕が会いにきたのは、企業のマーケティング戦略をサポートするトライバルメディアハウスの代表取締役・池田紀行さん(Twitter)。得意領域はソーシャルメディア、ブランド、インフルエンサー、効果測定。著書・共著書10冊。年間講演回数50回以上。34歳で起業して事業を軌道に乗せ、数年前に都内から鎌倉稲村ヶ崎に移住。サーフィン、ワーゲンバス、キャンプ、登山、DIY、ロードバイクが大好き……と、最高にイケてる肩書きの持ち主です。僕は池田さんの存在を知った日から決めていました。いつか池田さんの家の庭で、絶対に黒毛和牛を焼くと。

さて、本日持参したお肉はこちら。鹿児島県枕崎市産・A5等級黒毛和牛。こちらは霜降り肩ロース焼肉用400gです。美しい……。

そしてこちらがシャトーブリアン300gです。黒毛和牛1頭からわずかしか取れない希少部位だそう。ヒレ肉のなかでも肉質の良い中心部で、柔らかくジューシーなのが特徴です。ちなみに今回のお肉は僕が直接持参しましたが、ふるさとパレットの返礼品は、誰かにプレゼントとしてお送りすることもできるそうですよ!

いまいち事情は理解していないものの、バーベキュー用の立派なグリルと豆炭を用意してくれた池田さん。サッと塩コショウしたお肉をさっそく焼き始めます。

あっという間に、いい具合に焼けてきたー。炭火はガスと比べて大量に赤外線を出すそうですが、食材の表面組織を一気に硬化させるため、うま味を外部に逃がさないらしい。どっちにしても、屋外で焼く肉は美味に違いありません。

シャトーブリアンもいい感じです……!!

それでは、いただきます!あっ……、めちゃくちゃ柔らかい……!!これは間違いなく絶品です。

「うん、美味いね!」池田さんもお気に召したご様子。美味しいお肉は、人と人を仲良くさせるために欠かせないツールだと僕が確信した瞬間です。しかも、人様の納税で食べるお肉の美味しさって格別なんですよねー!

お肉の美味しさに気をよくした池田さんが、自家製ピザを振舞ってくれることに。手慣れた手つきで生地を伸ばしながら、美味しいピザづくりの極意を語ってくれました。「小麦粉を多めにまぶす」「具は乗せすぎない」「ソースは端まで伸ばしすぎない」「とにかくスピード感が命」だそうです。

美味しい予感しかしない。ここにチーズをたっぷりトッピングして……。

石窯へIN!自宅の庭に石窯がある景色って見たことあります?僕は生まれてから今日までありませんでした。石窯に限らず、池田さんのご自宅づくりへのこだわりは、並々ならぬものがあります。

3年前、地元の建築家に設計を依頼して建てられたのが、この「サーファーズ・ハウス」です。カリフォルニアの農場や小屋をイメージし、新築の段階であえて築30年に見えるような雰囲気につくり込んでいます。ウッド調の質感がナチュラルで、鎌倉の海と山にとても馴染んでいる……。

手前の小さなスペースは、「老後にカレー屋さんを営んでみたい」という奥様の希望で増築されたそう。この素敵な場所で食べるカレーは、さぞや美味しいに違いありません。

そして一番度肝を抜かれたのが、この離れ兼ガレージです。トタン張りのカラフルな小屋の扉を開けると……。

少年時代の夢をぎゅうぎゅうに詰め込んだような空間が……!胸をキュンッとさせるこの秘密基地が、なんと池田さんの書斎なんです。趣味のDIYに使う工具や、毎朝仕事前に鎌倉・葉山エリアを一周するためのロードバイクも。そして後ろのガレージには、こだわりの愛車がスタンバイしていました。

それが、このワーゲンバス!!この車で街を走っていると、子どもたちが指をさして大喜びするそうです。僕も昔から憧れていた車なので、羨ましすぎる……。でも古い車だから修理パーツがなかったり、メンテナンスが面倒だったりしないのかな?池田さんに聞いてみると、世界中に愛好家がいるためすべてのパーツがいまだに手に入り、年間修理費も10万円ほどだそう。

マジかー。ちょっと本気で欲しくなってきちゃったなー。

池田さん:「でもエアコンがついてないから、真夏の首都高の渋滞で死にかけたことがあるんだよね」

そんなひと言で我に返る僕。(池田さんはセカンドカーも持っているからいいけどね……)

さて、時を戻そう。池田さんが焼いてくれたピザがこちらです!

池田さん:「ピザカッターは何度も往復させちゃダメなんだよ。一回で決めるのが大事」

敏腕経営者の名言って感じがします。

うーん、美味しいー!!400℃の石窯で焼き上げた熱々のピザ、最高です!!

「僕、器用なんで余裕ですよ。やらせてくださいよ」と張り切って挑戦したものの、そもそもこの棒(ピザピール)に生地を乗せること自体、何度やっても成功しませんでした。僕の失敗を見ながら爆笑する池田さん。

お腹も満たされたところで、聞いてみたかった質問をぶつけてみました。

5歳:「都内に自分の会社があるのに、どうして鎌倉エリアに家を建てちゃったんですか?」

池田さん:「青春時代を過ごしたこの土地に移住することが、長年の夢だったんだよね。でもあるとき、僕はいつまでこの夢を先延ばしにし続けるんだろう、という疑問が湧いてきた。それで、数年前に『いつか撲滅運動』をするべく一念発起して、本格的に土地探しを始めたんだ」

池田さん:「あと、ちょうどそのタイミングで海街ダイアリー(2015年公開の映画)を観てさ。その影響も大きかったよね」

5歳:「めっちゃわかる。あの映画は最高です。ちなみに土地探しって具体的にはどんなことをするんですか?不動産屋さんに相談しまくるとか?」

池田さん:「一番重要なのは、“散歩”だね。自分の足を使って、朝早くから日が暮れるまで歩いて回る。そうすると色んなことが見えてくるんだよ。住民の雰囲気とか、日当たりとかね」

5歳:「なるほど。自分の五感を信じろ、と」

池田さん:「出会うまでに2年かかったよね。『この場所で死にたい』と思えるくらい惹かれたのがこの土地で、奇遇にも大家さんが売りたいと思っているタイミングと重なって」

5歳:「ご縁があったんですね。でも正直めちゃくちゃ高いですよね、この土地も家も」

池田さん:「組んでいた予算を大幅にオーバーしたからね。ここのローン、僕78歳まで払い続けなきゃいけないんだよ」

5歳:「えっ、怖い!僕だったら腰が引けちゃいます」

池田さん:「普通の人はそうだと思う。でもさ、思い悩んだところで先のことなんてわからないじゃない?結局人生って、未来をどう捉えるかでしかないんだよね。僕は楽観することに決めたの。ある意味、読みの甘さを大事にしてるんだよ」

5歳:「僕も楽観的な性格だけど、池田さんには敵わない気がする」

池田さん:「先日書籍も出したんだけど、昨年僕たち夫婦は、特別養子縁組で息子を迎えたんだ。この子がいてくれることで、この家をいつかは手放さなくてはいけないという寂しさや不安から解放された。彼が引き継いでくれると思うと、がんばってローンを払い続けようという気持ちにもなれるよ」

5歳:「息子さんのおかげでがんばれる、か……。わかる気がします」

池田さん:「で、5歳くんは将来についてどう考えてるの?会社をつくってまだ1年目らしいけど」

5歳:「いやー、どうなるかまだわからないですね。今、社員が2人いるんですけど、どれくらい会社を大きくしていくかもまったく見えていなくて。池田さんの会社は社員数150人を超えていますけど、将来どうしていきたいとかあるんですか?」

池田さん:「これから先は、小さな村に井戸を掘るんじゃなくて水道管を引いて、できるだけたくさんの人の役に立ちたいと考えているんだ」

5歳:「??」

池田さん:「つまり、小さな規模の世界を変えることより、地球にインパクトを与えるくらいのチャレンジをして死にたい、ってことだね。この会社を僕の人生の最高傑作として、いつか僕がいなくなってもずっと続いていくものにしていきたい。神様って、ひとつだけギフトを与えてくれるっていうけど、僕にはその役割が与えられたと思っているんだ」

5歳:「言葉一つひとつの重みがすごい。改めて自分はまだまだ青いなって思いました。真剣にこれからのことを考えていこう……。貴重なお話、ありがとうございました!」

初対面とは思えないほどフランクにお肉を焼かせてくれ、タメになる仕事観・人生観を聞かせてくれた池田さんにすっかり魅了されてしまった僕。気づけば陽もとっぷり暮れて、庭に灯されたランプが鎌倉の夜を一層ムーディに演出していました。絶対にまた、お肉を持って遊びに来るぞ……。そしていつか僕も、鎌倉に家を建てる!!

5歳
取材
5歳
Twitter

36歳ライター、可愛い嫁と、息子が2人。Twitterで家族について呟いています。

波多野 友子
写真・構成
波多野 友子
Twitter

ロスジェネのフリーライター/エディター。興味のあるジャンルは、仕事論、母親の生きかた、恋愛、ジェンダー、たまにサッカー。東洋経済オンライン「離婚親の選択」連載中。特技は対談構成。

一覧へ戻る